読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

チャップリンのこと。

チャールズ・チャップリンに関する文献、映画作品などのレビュー

『ヴェニスの子供自動車競走』(1914) Kid Auto Races at Venice

チャップリンの長編第二作

前作の『成功争ひ』(1914)には登場しなかったチャップリンの代表的キャラクター「チャーリー」がこの作品で初めて現れる。

『ヴェニスの子供自動車競走』は、前作よりも筋立ては非常に単純な短編だ。チャーリーなる主人公が、レースを撮影するカメラの前に、執拗に現れて自分の姿をアピールし続ける、ただそれだけ。

ただこの作品の非常に興味深い点は、チャーリーの視点が常にカメラに向いていること、そして時折そのカメラの視点が我々観客の視点と融合することで、チャーリーがまるで我々に合図を送り、自分の存在を必死にアピールしているように見えるという点だ。

結果的にその姿はレースの邪魔となり、画面の端に追いやられることになる。

だがこの短編の間に観客である我々は、この映画の主役がレースではなく、彼であることを否応がなく知らされ続けることになる。

執拗に執拗にカメラの先に、自分の姿を映し出そうとするその姿には、チャップリンという人物がカメラというものにある種の強迫観念的ともいえる魅力を抱いていたことを象徴するようでもある。

一見、単純であるように思われるがその演出に関しては、個人的に非常に興味深いと感じるものがあった。

作品情報

  • 監督 ヘンリー・レアマン
  • 脚本 ヘンリー・レアマン
  • 製作 マック・セネット
  • 出演者 チャールズ・チャップリン、ヘンリー・レアマン
  • 撮影 フランク・D・ウィリアムズ、エンリケ・J・ヴァレヨ
  • 配給 キーストン・フィルム・カンパニー
  • 公開 1914年2月7日
  • 上映時間 5分

参考文献(リンク)

ヴェニスの子供自動車競走 - Wikipedia